想定していない事は ダメージが大きい。
いよいよ今年も 夏がやってきます。猛暑に対する備えが必要ですよね。
ある程度予測して、 時間があれば準備ができますよね。
その反対で 予測のつかないことが、突然起こることがあります。想定していないことが起きると一生立ち直れないほどのダメージを受けることもあります。
子どもの身を守ることは、耳にタコができるほど。
保護者の方が、一番敏感なのが、子どもの病気・けが・交通事故ですよね。横断歩道の渡り方など、ご家族での行動の際にしっかりと教えられていることと思います。
「手を洗った?」「お風呂入んなさい。」「ちゃんと食べてよ。1日2回」「気をつけて行きなよ。」 大人としても毎日のことなので 膨大なパワーを使ってこどもに教えていきますよね。
3歳~10歳まで 1日計5回言っているとして 5回×365日×8回=14.600回
自転車には乗れても、他人の動作・反応を予測する力は育っていない。
車の運転には免許というものがあります。自転車の場合は、免許がありません。自動車学校に 通った時のことを思いだしてください。両側や前方後方の車、自転車・バイク・人の動き、 信号停止など常に周りの動きの予測を厳しく教えられます。
子どもが 自転車に乗れるようになった年齢の身体能力は向上する一方です。スピードも出せるし 急なハンドルさばきも上手になります。ただし 周りの人や、他の人の動作、反応まで予測できる力は、育っていません。大人でも難しいことです。
自転車事故で、加害者になったら
小学校高学年にもなると、お友達同士で自転車で外出されることも出てきます。
自転車で誰かにぶつかった場合?加害者になった場合、どのくらいの損害賠償請求が起きているのか見てみましょう。
自転車での加害事故例
自転車事故でも被害の大きさにより数千万円の賠償金を支払わなくてはならない場合もあります。この賠償責任は、未成年といえども責任を免れることはできません。
判決認容額(※) 事故の概要 9,521万円 男子小学生(11歳)が夜間、帰宅途中に自転車で走行中、歩道と車道の区別のない道路において歩行中の女性(62歳)と正面衝突。女性は頭蓋骨骨折等の傷害を負い、意識が戻らない状態となった。( 神戸地方裁判所、平成25(2013)年7月4日判決) 9,330万円 男子高校生が夜間、イヤホンで音楽を聞きながら無灯火で自転車を運転中に、パトカーの追跡を受けて逃走し、職務質問中の警察官(25歳)と衝突。警察官は、頭蓋骨骨折等で約2か月後に死亡した。(高松高等裁判所、令和2(2020)年7月22日判決) 9,266万円 男子高校生が昼間、自転車横断帯のかなり手前の歩道から車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた男性会社員(24歳)と衝突。男性会社員に重大な障害(言語機能の喪失等)が残った。(東京地方裁判所、平成20(2008)年6月5日判決) 6,779万円 男性が夕方、ペットボトルを片手に下り坂をスピードを落とさず走行し交差点に進入、横断歩道を横断中の女性(38歳)と衝突。女性は脳挫傷等で3日後に死亡した。(東京地方裁判所、平成15(2003)年9月30日判決) 5,438万円 男性が昼間、信号表示を無視して高速度で交差点に進入、青信号で横断歩道を横断中の女性(55歳)と衝突。女性は頭蓋内損傷等で11日後に死亡した。(東京地方裁判所、平成19(2007)年4月11日判決) (※)判決認容額とは、上記裁判における判決文で加害者が支払いを命じられた金額です(金額は概算額)。上記裁判後の上訴等により、加害者が実際に支払う金額とは異なる可能性があります。
一般社団法人 日本損害保険協会資料より 引用
偶然、不足かつ突破的とは? ルール違反は保険金は支払われません。
損害保険の約款などに「偶然、不足かつ突発的」という表現があります。どんな状態でも保険金が支払われると思い込むのは間違いです。自動車事故が起きた時、 警察を呼んで、写真を撮られたり、事情を聴かれたことはないですか。自転車に乗っていた人が、危険な行為をした結果の事故であれば 保険金がおりないかもしれません。
個人賠償責任保険にはご加入されているとは思いますが、ルール違反をしていた時は、 「偶然、不足かつ突破的」ではなく、事前に予測できた事故と判断される場合もあります。
保険金というのはとても高額です。被害者・加害者が最初から話しあって、事故を起こして多額のお金をだまし取るなど 悪いことを考える人がいたのかもしれません。
社会の一員だから ルールがある。(バランスを保つ)
保護者も子どもも 日々時間に追われて大切なことを伝える時間が不足してきます。
大切なことを、つい見逃してしまうことが多々あります。
法律・規制・社会保障・税 さまざまなルールがあります。多くの人の中で生きていくためには、自分だけを最優先してしまうとルール違反になり、罰則があります。
こどもから成人になるということ、社会の一員であることを少しづつ伝えることができたらいいですね。
日々生活の中で、できる事。
こどもだけで、外出して起こることだから、どうしようもない。・・そんな考え方もあるかもしれません。ですが、親子で歩道を歩いている時、向こうからご高齢の方のシルバーカーが来たら立ち止まって歩道を広く開けてあげる、スーパーマーケットの中で走らないなど、 周りの方の迷惑になる行為については大人として話が出来たらいいですね。
①子どもの身を守ることは 耳にタコができるくらい伝えている。
②自転車には乗れても、他人の動作・反応を予測する力は育っていない。
③保険は、どんな時でも受け取れるわけでない。
④ルール、社会の一員としての視点も伝える。
④日々生活の中でできることを探してみる。