誰か、教えてほしかった。
お金について 自分が全く無知だと痛い思いをしたのは 新築して住宅ローンを組もうとした時です。銀行の支店長さんに 厳しく叱られました。「勉強もしていないで家を買うって後で払えなくなりますよ。」知人もいない香川で 教えてくれる人は誰もいないと感じました。ハウスメーカーの営業さんや 銀行さん 不動産屋さんは あくまでも業者さんであることを痛感しました。家を買うときの注意点や計画的なローン返済など 当時の私には理解できないことばかりでした。家を買いたいといえば「やめたほうがいいですよ。」とは言ってくれませんよね。
他にも社会保険料・所得税・住民税・年末調整・確定申告など 真剣に向き合うようになったのは所属する団体の経理をするようになってからです。税務署に提出する書類・税理士さんとのやり取りする中で やっと長期的に全体像が見えてきたわけです。
金融教育を学校等で受けたのは、わずか7%
2022年 金融広報中央委員会(知るポルト)によると 教育機関でお金の教育を受けた人は わずか7%という結果が出ています。
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy_chosa/2022/pdf/22lite_point.pdf
そもそもお金の教育を受けていないということでしょうか?一番大きな影響力は 各ご家庭によるものだということになりますよね。
FPという仕事は かなりのおせっかいな仕事で 他人には言えないご家庭の話を突っ込んで 聞く仕事です。年収はもちろんのこと いろいろなお金の価値観を聞いていきます。
例えば 結婚したら新築一戸建てを住宅ローンで購入、車は2台が当然、冠婚葬祭は周りに見劣りしないぐらい、教育費はしっかりかけていい大学へ、などなどきりがありません。
知らず知らずに 埋め込まれた価値観?もしかしたらら親御さんの価値観が影響しているのかもしれません。ただし昭和世代のご主人は 年功序列で給与も上がっていって退職金ももらって、年金だけでも贅沢しなければなんとか食べていける、奥様は扶養の範囲でパートで働いていても なんとかやっていける。お金は銀行や郵便局に預けていれば大丈夫、そんなご家庭がまだまだ多いように思います。
お金の事って 周りに聞きにくい。
結婚して 子どもができるとお金と時間のゆとりが無くなります。きちんと計画を立てずに生活していると 給与が少ないことが不満になります。同時に自分だけが苦労しているような錯覚に陥ります。なぜか日本は「お金の話をすると汚い」などという感覚を持たれている方もいらっしゃいます。親子であっても 年を取り判断能力が衰えている親に対して、施設に入るお金は準備しているのか?なんて聞けないですよね。
どうして?「たけのこお金の学習塾」
「たけのこ体育教室」=子ども+親=お金の学習室
変な方程式ですよね。塾の名前はいろいろ悩みました。
最初の教室の名前は「母親塾」でした。子育ての不安と一緒に お金の不安が覆いかぶさることの痛みを 一番よくわかっていたからです。
原田教育研究所の長期目標用紙に「母親塾」という目標を立てました。当時は子育てが一段落したところだったので ある意味過信だったのかもしれませんね。お話を聞いてあげるぐらいしかできないし 専門性は低いと考えるようになりました。親業はもっと奥が深いことがだんだんわかってきました。
15年経って やっと運動とお金の知識があれば 不安を小さくすることができるとぼんやり見えてきたんです。そこで 親しみやすさという点から「たけのこ」の名前と使わせてもらうことにしました。FP(ファイナンシャルプランナー)という響き、緊張しながら話を聞かないとと思われるのだけは 避けたいところです。おせっかいな、知ってるおばちゃんぐらいに思ってもらえることがお金の基礎知識を勉強していただく 第一歩だと思っています。
お父さん・お母さんがインプットして お子さんにアウトプット!
学校教育でも、ぼちぼちお金の教育が広がりつつあるものの 少し時間がかかるかと思います。ご家庭ごとの経済的環境が違い過ぎるので難しいのでは感じます。もちろん受けないよりは受けた方がいいのはわかっていますが 自分のこととして、受け取れるのは、お父さん、お母さんのアドバイスのほうが リアルだと思います。
例えば 「ゲームを買って!」とお子さんに言われて 「ダメ うちにはお金がないから」と 一言で終わらせてしまうと うちにはお金がないんだと辛い受け取りかたをしたり、お金がないと言いながら お母さんはまた 新しい服を買っているなど不満として受け止める場合もあるということです。
親子の会話、どんな会話をしていますか?
幼稚園・保育所、小学校1・2年生あたりまでは 甘えることで親とのコミュニケーションを取ることもできるのですが 小学校3年生ぐらいから難しくなるように思います。学校ではいろいろな経験をして 帰ってきた子どもたちは お話を聞いてもらうことで 自己肯定感を高めていくのではと思います。(キャリアコンサルタント理論より)ただし ゆとりがない場合は 「早くしなさい。宿題やったの?」など親としての役目を終わらせるための会話になりがちです。 私もそうでした。子育てが終わって、本を読んだり、セミナーに通ったりして 我が家の子育ての良かった点、悪かった点の裏付けが、やっと見えてきました。受容する、共感する、その後 問題解決のための手段、方法を探していくプロセスが会話になっていきます。
縦ではなく 横の会話がコミュニケーションが広がる。
小学生ぐらいまでは、親のほうが体も大きく生きている年数も長いので あれこれ教えてやらないとと思うじゃないですか。だけど子どもは学校・友人・ 習い事、親の知らないコミュニティとも関わっているんですね。知らない間に こどもは成長して親を冷静に見ているのではと仮定すると、上から目線で指示ばかりしていると、完璧な親などいないので隙のない親を演じていることもストレスになってきます。
上下で会話する例として 良かったのか 悪かったのか?他の人より上だったのか?順番をつけて1番だった、5番だった、速かった、遅かったかなどです。
横で会話をする例として 「その時 どんな感じだったの?へぇ それはめちゃめちゃ楽しかったね。それで 〇〇さんは?それは笑えるねぇ。」きっとお友達同士でのやりとりで普通にやっていらっしゃるはずです。たわいもない話ですが コミュニケーションスキルは将来、そのお子さんにとって とても役立つ能力です。
余談ですが 我が家もいろいろと問題を抱えている3人でしたから 子どもの表情、声のトーンなどを読み取りながら会話することは 母性本能の技だったのかもしれません。後から考えると今の仕事に多いに役だっているのが このコミュニケーション能力です。
お金の教育は 昭和生まれのご家庭の価値観によるもの?