第5話 「宿題した?」「ゲームばっかりダメ!」

今回のタイトルは 子育て中の保護者の皆さまの多くの方が子どもに、何回かそれとも何十回か 言った、ご経験があるのではと思います。もちろんわが家も30年前は、3人の男の子にも言ってきました。

子どもも忙しいし、親も仕事で忙しい、だから会話が必要最低限になってしまいます。

30年経った今だったら もう少し付け加えて話してみたいです。

上からの会話(指示)が多くなる

子どもが生まれてから、自分の時間が全くとれずに、日々子育てと戦っていると感じている方も多い事と思います。私もそうでした。経済的に厳しい環境で育ったために、子どもだけにはこんな想いはさせたくないと必死になって感情的表現ばかりしていた気がします。

永遠に子育てが続くように感じて日々ゆとりのない生活になると、つい上からの会話になりがちです。      

親も自分の時間を持ちたいので、子どものことを含めて1日のやるべき事を終わらせたいので 「宿題は終わったの?」「お風呂早く入って、」などなど、毎日同じことを繰り返していきます。

気をつけたいのは、子どもは親を鋭く観察しているということです。言葉のはしばしイントネーション次第で、直感的に自分を否定されていると感じたら、会話そのものが減ってくるかもしれません。

時間が足りなくなるかもしれないねぇ。(横の会話)

FP目線に話を戻します。人生設計で考えた時、時間の長さの視点でとらえてみました。

親が子どもを扶養しているのは 18年~22年程度です。その先は独立して収入を得て新しい家族をもつ場合もあるし、一人で一生、生きて行く場合もあります。多様化の時代とも言われます。どちらにしても仕事で収入を得ることが50年ぐらい続きます。

その50年で得たお金(生涯賃金)で 80年分の生活設計を立てることになります。

「時間が足りなくなるかもしれないねぇ」の意味、そもそも親から独立し自立した生活になる事、18年間で勉強や運動の基礎づくりをしているという事を伝えきれてないのではと思います。

密度の濃い18年間

子どもは たった18年の間に勉強、運動、遊びと詰め込まれていく、改めて凄いなぁと    思います。親はどうかと自分自身を振り返ると、うかうかしていると成長が止まっていないかと焦りすら感じます。

成年年齢の引き下げによる問題

民法の改正(140年ぶり)により、2022年4月から成年年齢が引き下げとなりました。

お金に関して 影響のあるところだけ抜粋してみました。

成年になるとできること

民法が定めている成年年齢は、「一人で契約をすることができる年齢」という意味と、「父母の親権に服さなくなる年齢」という意味があります。成年に達すると、親の同意を得なくても、自分の意思で様々な契約ができるようになるということです。
例えば、携帯電話を契約する、一人暮らしの部屋を借りる、クレジットカードをつくる、高額な商品を購入したときにローンを組むといったとき、未成年の場合は親の同意が必要です。しかし、成年に達すると、親の同意がなくても、こうした契約が自分一人でできるようになります。また、親権に服さなくなるため、自分の住む場所、進学や就職などの進路なども自分の意思で決定できるようになります。

政府広報オンラインより 引用

 学力・就職よりも、 ずーっとつきまとうお金。

親として気になるのは、学力(通信簿)や、運動などの活躍ですよね。見方を変えると親として自分の子どもが他の子どもより劣っていたら辛いからという、親自身の抱える不安なのかもしれません。

社会にでると通信簿も、運動の活躍(一部を除く)も意味を持たなくなります。

親から独立して生計を立てるようになって、その後の人生ずーっとついてくるのが、お金です。

学校を卒業して、会社に入社して一人暮らしを始めたら、慣れない会社での重圧とお金のない 生活で、ダブルで苦戦していくと、せっかっく就職しても辞めたくなるのもわかりますよね。

「お金の教育」という考え方そのものがなかったのが、本当に不思議です。

※ 私がお金に関わる仕事について、疑問を持ち始めたのが49歳です。息子たちは、25歳・23歳・ 21歳と社会の入り口に立っていました。少し遅かったかと反省しつつ、近頃やっと、少しづつ伝えているところです。

第5話まとめ

1 「宿題した?」「ゲームばっかりダメ」なぜダメなのか、話せていない。

2 日々忙しく、上からの指示のような会話が増えて 大切な事を伝えきれていない。

3 一生の時間の長さで捉えてみる。(扶養期間・働ける期間・一生で支出する期間)

4 成年年齢引き下げ等で 社会に出たとたんにリスクと向き合う。

5 学力ばかり気になって、ずーっとついてくる「お金の教育はなかった」